IT都市ダナンがベトナムで今注目されている理由とは
2016/05/13
ベトナムではハノイ、ホーチミンが有名ですが、ダナンと言う都市を知っていますか?
首都ハノイ、南部の商業都市ホーチミンは有名ですが、「ダナン」という都市を知っていますか。ベトナム中部の最大都市です。2011年にダナン国際空港に新しいターミナルが完成し、注目を集めています。周りに自然も多く、ビーチリゾート地としてなど観光地としても有名な都市です。
アジアの中でベトナムが国としてITやICT分野の強化をしている中、現在この「ダナン」がITの新しい集積地として注目を集めています。ハノイやホーチミンに比べると、のんびりとした雰囲気の漂う中部の都市ですが、なぜ、ここがIT都市として注目されているのでしょうか。その理由についてご紹介したいと思います。
ダナンの魅力、人件費の安さ
ハノイ、ホーチミンと比べて「ダナン」の魅力は、何より人件費の安さです。ホーチミンと比べて3分の2ほどで済むと言われています。また中国に比べると2分の1と言われ、まだそれほどの人件費の上昇も見られていません。ということで、この安い人件費で多くの人材を確保できる「ダナン」に注目が寄せられています。
また、ベトナムは離職率が高いと言われIT産業では20%の離職率があると言われますが、「ダナン」の離職率は8%しかないのも魅力です。しっかりした人材の固定化、ノウハウの積み上げや顧客向けに技術者を固定的に提供することができるという利点があります。
ダナンのIT事業開発、ソフトウエアパークの建設と企業の進出
「ダナン」にはIT産業振興事業のために、IT企業が集まるソフトウエアパークが建設されるなど国の投資も現在集中しています。ベトナム最大手のIT企業「FPT」では800人が勤務をし、次に大きな「ユニテック」でも200人の技術者を抱え、大規模なシステム開発の仕事を受け入れています。
平均すると、40~50人規模となりますが、10~20人規模のIT企業が多くWebアプリ開発などを請け負いで行っています。どちらかというと、まだ企業規模が小さいとのが課題と言えます。最近では日本企業の富士通やNTTデータも「ダナン」に拠点を開設しました。
日本企業のソフトウエア開発事業の受託、オフショア開発の展開
ベトナム政府も日本企業からの情報システムやソフトウエア開発の委託を受けるオフショア開発に力を入れています。また、そこにはベトナムでの多くの人材開発が課題となっている現状もあります。ダナン工科大学などでの優秀な人材育成やハノイ、ホーチミンへの人材の流出を防ぐことなども必要となっています。人材育成は「ダナン」の急務かもしれません。
日本人の観光旅行としてもおすすめの場所
また、自然豊かな「ダナン」では、国際空港もあり、美しいビーチもありますので、観光旅行としてもおすすめの場所です。もちろん、現地に住むエンジニアの人達の寛ぎの場や出張や休暇の際に訪れた人たちの観光の場所としても「ミーケービーチ」や「ノンヌォックビーチ」などがリゾート感いっぱいで人気です。おしゃれなカフェやレストラン、ホテルも沢山あります。
出張、休暇の際のおすすめの食べ物は
こうした観光地などでも食べることができる、ダナンの名物は、「ミークワン」と呼ばれる麺です。米粉でできたきしめんに似たものにエビや豚が入った物を濃い目のタレでいただきます。また、「コムガー」と言う鶏のスープで炊いたご飯に骨付き鶏を乗せた料理も有名です。どれも安く、米粉で作った麵やご飯など日本人に合う料理が多くあるのも魅力です。
IT都市ダナンの魅力
自然が多く、リゾート地もあり、食事も安くておいしいというまさにいろいろ揃ったIT都市「ダナン」です。まだ人材育成という所からスタートしなければいけない「ダナン」かもしれませんが、日本がIT技術や日本語研修を今後先導していくことで安く有力な人材を固定的に確保することができる魅力を持った都市と言えます。