初めての ”ラボ型オフショア開発"【3章】ベトナムの文化を知ろう
2016/09/22

ベトナムの文化を知る!
ベトナムでラボ型オフショア開発を行うのであれば、ベトナムの文化や慣習についても知っておくべきでしょう。文化や慣習を知ることによって、ビジネス慣習や価値観を理解できるだけではなく、開発プロジェクトの成功のために無用なトラブルを避けることもできます。
ベトナムの民族

ベトナムは、多民族国家です。 国民の大半がキン族で、都市部に集中しています。その他、少数民族が53民族もおり、多くは高原・山岳地帯で暮らしています。
ベトナムの宗教
ベトナムの宗教は、日本と同様、中国の三大宗教である儒教、仏教、道教の影響を強く受けています。国民の約70%は仏教徒ですが、道教の影響も大きいと言われています。 道教は、不老長寿・現世利益など、死後ではなく現在の幸福を追求する宗教で、日本の陰陽道、修験道、風水などに当たります。
ベトナムの言葉
公用語はベトナム語です。歴史的に中国やフランスから影響を受けている為、漢字起源ですがローマ字表記です。
ベトナムの通貨
ベトナムの通貨はベトナムドンです。
為替レートは、おおよそ、1日本円=205ベトナムドン、1ベトナムドン=0.004886日本円になります。
日本の1円玉に相当するのが、200ドン貨幣。最高額紙幣は、500,000(50万)ドン紙幣であり、日本円では2,000円相当になります。
ベトナムの祝日・記念日
ベトナムの祝日や記念日を知っておくことで、どのような行事が重要視されているかが分かります。
ベトナムの主な祝日・記念日は、以下の通りです。
1月1日 | 正月(新暦) |
---|---|
2月初め | テト正月(旧正月) |
2月3日 | 共産党設立記念日 |
4月30日 | 南ベトナム解放記念日 |
5月7日 | 対仏戦勝記念日 |
5月19日 | ホーチミン生誕日 |
7月2日 | 南北統一記念日 |
8月19日 | 八月革命勝利記念日 |
9月2日 | ベトナム社会主義共和国建国記念日 |
9月20日 | 国連加盟記念日 |
10月20日 | ベトナム女性の日 |
11月18日 | 民族解放戦線創立記念日 |
11月20日 | 先生の日 |
12月22日 | 人民戦線創立記念日 |
独立、解放に関する記念日が多いのは、共産党政権の影響もありますが、ベトナムが他国に侵略・占領されたことがいかに多かったかを理解する事もできます。
テト正月(旧正月)は、日本のお盆休みと正月を合わせたものに当たり、一年で最も重要な行事です。先祖に敬意を表し、墓参りをするとともに、新しい年を祝います。
ベトナムの教育

ベトナムの学校制度は、以下の通りになっています。
義務教育前 | 保育所 | 1歳~5歳 |
---|---|---|
幼稚園 | 3歳~6歳 | |
義務教育 | 小学校 | 5年間 |
中等学校 | 4年間 | |
義務教育後 | 高等学校 | 3年間 |
大学 | 4年間 |
小学校・中学校・高校の就学率は、それぞれ約95%、約75%、約40%です。小学校・中学校は義務教育で授業料は無料ですが、教科書代・制服代・文房具代・衛生管理費などを負担しなければいけない事が、貧困世帯が子供を学校に通わせない理由に繋がっています。
しかし、発展途上国の中では識字率が非常に高いと言われます(92.8%)。
中学校・高校では、外国語として、英語のほか、日本語を学ぶクラスもあります。
また、大学への進学率は20~25%程度です。
ベトナム政府は、2020年の工業国化に向けて国民の教育水準を高めようとしていますが、都市部と地方部での就学率の格差は大きく、学校数も不足しています。
ベトナムの食文化

ベトナム人の主食は米(白米)です。 箸や茶碗を使う、お茶を飲む、白米を主食とする、粉を加工して麺や餅を作るなど、日本と同様に中国の影響を受けています。 ベトナム料理は、油が控えめ、辛くない、野菜が多いなど、「ヘルシー」なことで世界的に有名です。 そういった理由から、男性も女性も肥満率がかなり低くなっています。
ベトナムのスポーツ
サッカー熱が異様に高く、フットサルコートが街中にたくさんあります。国策もあって、バスケットボールも盛んです。 伝統的なスポーツとしては、「ダーカウ」(足で行うバドミントンのようなもの)があります。
ベトナムのテレビ
テレビ普及率は90%を超え、国民の最大の娯楽となっています。 地上波として国営放送局や地方局もありますが、ケーブルテレビの加入率が高く、月額300円程度で約60チャンネルが視聴できます。しかし、番組の制作力や技術力は高くないため、海外番組の輸入版(とくに韓国)や現地改編版が主流となっています。
ベトナムの音楽
ニャック・チェー ベトナムのポピュラー音楽で、主に若者を中心に人気がある。 ニャック・クェ・フン 故郷音楽で、独特のテンポがありゆっくりとした音楽が多い。 ザンカ ベトナムの民謡。
ベトナムのインターネット・携帯電話
ブロードバンド回線の普及率は、現在5~6%です。
1990年代にはデジタル方式の移動体通信サービスが開始されました。現在、3Gサービスを行うキャリアは6社あり、4G(LTE)サービスの試験も徐々に開始されています。
Samsung、LG、Nokia、SONYがよく使われており、すべてSIMフリーです。
また、携帯電話の普及率は約130%(国民1人あたり1.3台)、スマートフォンの普及率は、35%~40%です。一方、固定電話の普及率は年々低下し、10%程度となっています。
その他
その他、文化・習慣などを挙げさせていただきます。
- 昼休みは、11時半~13時半となっており、日本と比べて比較的長い。
- 無免許運転や飲酒運転は日常茶飯事の為、歩くときは気を付ける必要がある。
- 女性は極端に日焼けを嫌い、外出時はサングラスとマスクで完全防備する。それに対して、男性は上半身裸を厭わない。
- 共産党や政府への批判は、公の場ではタブーである。