ベトナムにおけるICT事業の今後はいかに
ベトナムを第二の中国へという期待

『ICT』と言う言葉をご存知ですか。『IT』より“C”のcommunication(通信)の要素を強く考えた言い方とされています。最近ではこの言葉も多く使われるようになりました。
現在アジアの中で、この『ICT』の分野で中国に次いで期待を集めているのがベトナムのICT産業における未来です。現在の所、ベトナムでのICT市場は数字上でも2桁の高成長を見せています。
歴史的に言えば、2010年にICT分野の強化を目指し、“情報通信分野での成長”の国家政策を掲げ、今日に至っています。国家を挙げて若い優秀な人材を沢山育てているというのがベトナムの現在の動向です。
そのベトナムにおけるICT事業の現状と今後についてご紹介します。
取り組みたいICT事業の現状と課題

現在のベトナムでのICT分野の現状はというと、これまではパソコンやネットワーク機器のハードウエアの売り上げが急成長してきましたが、最近ではソフトウエアの売り上げが増える傾向に変化してきています。ハードからソフトへシフトし始めた段階と言えます。
また、ベトナムでサービスまで含めたソリューション販売を行っているのは現在の所、まだまだ外資系の企業が多い状況です。IBMやヒューレット、デルなど多数の企業が入っていて、NTTコミュニケーションズなどの日系企業も参入しています。
ベトナムの国内企業では、最大手の「FPTグループ」がありますが、もともと科学技術省傘下の国有企業だった「FPTグループ」です。まだハード中心でソフト中心のソリューションサービスができているかは課題の企業でもあります。
さらに、現在の所、実際に通信事業に参入しようとしても課題があります。外資100%の企業への通信事業自体への規制は強く、参入ができない状況になっています。ベトナムの回線提供企業を通じてネットワーク構築や障害対応などもすることになるのが現状です。回線の速度や回復に時間を要することもありますのでその辺の注意が必要となっています。
今後の若い世代への可能性と未来への展望

それではベトナムに今期待されるものとはどんなものなのでしょうか。現在、2020年までにインターネット接続率を2010年現在の30%から70%に上げるという目標のもと、ICTに係る人材の育成が急速に急がれています。
平均年齢が20代という若い国家のため、教育に力を入れていて、ベトナム人のICT関連の人材を国内外合計で100万人にしたいという未来への大きな計画が国を挙げて行われています。
企業に求められる人材育成の場
しかし、実際の所は言うと、国家による人材教育は遅れているのが現状です。人材育成も含めた事業展開が企業側に求められている姿だと言えます。
つまり、日本からICT事業に加わりたいと考えた場合には、そういった人材育成に力を入れることも必要とされているということです。もちろん給料や待遇も良くすれば若い多くの人材を沢山確保することができます。
また、人材育成と一方で、ベトナム人の国民性を理解することも大事です。日本とは違って転職が盛んにおこなわれている国であるということや情報セキュリティについて意識が低かったりすることも念頭に入れて育成する必要があります。
現在のベトナムのICT事業の流行に乗って、ベトナムでの起業を行うのであれば、それらを理解した上で、雇用することが大事なのです。若い人材が沢山いますので人材育成に重点を置いて行われることが望まれています。
起業する場合の嬉しい優遇措置
また、進出する上でのメリットもあります。嬉しいことにベトナムでは国家を挙げて、ICT産業の外資系企業を優遇しています。税制面での優遇措置も長期間図られています。ベトナム政府によりハードウエア及びソフトウエア部門でベトナムに進出する外資系企業の4年間の免税期間と9年間の減税期間が設けられています。これらを活用してみませんか。
長期的展望をもって未来のベトナムのICT産業のために今、投資や進出を行うのがいい機会だと言えます。